iPhoneとは:概要と歴史

iPhone(アイフォーン)は、アップル製のスマートフォンである。オリジナルのモデルは2007年1月に発表され、最新モデルのiPhone 5s/5cは2013年9月20日に発売された。

iPhoneの概要と歴史

iPhone
2007年に発売された初代iPhone
2007年1月9日に開催されたアップル製品の展示会のひとつ、Macworld Expo 2007にて発表され、同年6月29日にアメリカ合衆国にて発売された。

同社のデジタルオーディオプレーヤーであるiPod、携帯電話、インターネットや電子メールの送受信等が行える携帯情報端末、これら三つの機能を併せ持った機器として登場した。既存のタッチパネルの多くは同時に一箇所のみでしか操作を行えなかったが、iPhoneではマルチタッチと呼ばれる技術で、複数の指を同時に操ることで画面の拡大縮小などバリエーションに富んだ操作が可能となった。カラーはシルバーのみ、容量は発売当初は4GBと8GBの2通りだったが、4GBは2007年9月5日に販売を終了した。一方2008年2月5日には16GBモデルが販売開始された。同時になお、初代iPhoneはクワッドバンドGSM端末で、通信方式にGSMを採用していない国・地域では使用できないため、日本などこれらの国・地域では初代iPhoneは販売されていない。

iPhone 3G
2008年6月9日、WWDC 2008の基調講演にて発表され、北米や欧州、オーストラリア、日本、香港など22地域で同年7月11日に発売された[7]。UMTS (W-CDMA)の規格で第3世代移動通信システム(3G)の通信に対応し、GPS搭載、MobileMe対応など、新たに機能が追加された。カラーはホワイトとブラックの2種類。容量は8GB(ブラックのみ)と16GBモデルが用意された。2010年6月24日に販売終了。

iPhone 3GS
2009年6月9日、WWDC 2009にて発表された[8][9]。発表時は「iPhone 3G S」と表記されていた。処理性能がiPhone 3Gと比べて最大2倍高速化され、バッテリー寿命も長くなったほか、3メガピクセルのオートフォーカスカメラ、ビデオ撮影、テザリング機能、音声コントロール(ハンズフリーボイスコントロール)、アクセシビリティ、デジタルコンパスといった機能が追加された。リモコンマイク付きイヤホンにも対応。カラーは従来通りホワイトとブラックの2色、記憶容量は16GBと新たに32GBモデルが用意された。iPhone 3Gは8GBのブラックのみが引き続き販売されていた。

2010年6月24日のiPhone 4発売後は新たに8GBモデルが発売された(16GBモデル、32GBモデル、またiPhone 3Gは販売終了)。またiPhone 4S発売と同時に、SIMロック版は2年契約条件で無料化された。2011年10月14日提供終了。

iPhone 4
2010年6月7日のWWDC 2010にて発表され、同年6月24日に発売された。背面がポリカーボネート製の丸みを帯びたものから強化ガラスを用いた平面なデザインとなり小型化が図られた。ハードウェアではマイクロプロセッサやGPU、半導体メモリをひとつの集積回路にまとめたApple A4を搭載。液晶は「Retinaディスプレイ」と名付けられた高精細の液晶を採用し、3.5インチの液晶画面を据え置きながら画面解像度は4倍の960×640に広げられた。また、テレビ電話機能であるFaceTimeのために本体前面にカメラが搭載された。2011年2月10日にはUMTS版とは別にCDMA2000 1xに対応したモデルも発売された。カラーはブラックとホワイトの2色があったが、当初ホワイトモデルは製造上の問題により発売延期を繰り返し、10カ月後となる2011年4月28日に発売された[10]。

2011年10月14日、iPhone 4S発売開始と同時に本モデルにおいては8GBモデル(ホワイト・ブラック)が発売開始され、それまでの16GB及び32GBモデルは販売を終了した。iPhone 5の発売と同時に無料化された(iPhone 3GSは提供終了)。2013年9月20日からのiPhone 4sの無償提供開始により、iPhone 4は提供(販売)を基本的に終了したが、インドなど一部市場ではその後も販売され続け、そのために一部で生産を再開した。

iPhone 4S
2011年10月5日に発表。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本の7地域で同年10月14日に発売され、3日間で400万台を突破した。

利用者の音声で応答や処理を行う自然言語処理システムであるSiriを搭載した(4SのSはSiriのSである)[12]。外観はiPhone 4からほぼ変更は無く(マナーモードボタン位置、アンテナ本数のみ)プロセッサはデュアルコアApple A5チップを搭載、グラフィック性能では7倍に向上している。背面カメラは800万画素裏面照射型CMOSを採用、レンズもF2.4になり性能が向上し、動画撮影もフルHD1080p動画の撮影が可能となった。HSDPA通信が14.4Mbpsと高速化した他、同一モデルでUMTS (W-CDMA)・GSM及びCDMA EV-DO Rev.Aに対応するよう作られている。ただしSIMロックフリー版のiPhone 4SではCDMA回線利用はできない[13]。従来からのGPSに加え、ロシアの軍事衛星GLONASSによる位置情報検出に対応。

ラインナップにはブラック・ホワイト各色に16GB、32GB、64GBが用意される。日本ではキャリアとして従来のソフトバンクに加え、au(KDDI / 沖縄セルラー電話連合)でも発売された。

2012年9月のiPhone 5発売後は16GBモデルのみが販売され続けた。

2013年9月のiPhone 5s/5cの販売に合わせて、名称を「iPhone 4s」(大文字のSから小文字のs)に変更[14]。新たに8GBを設定し、5cの下位モデルとして無料で提供されることになった[15]。これに伴い16GBモデルも販売終了した。

iPhone 5
2012年9月12日に発表され、アメリカ・日本など一部の国は9月21日、その他の国は同28日に発売された。画面サイズはこれまでの3.5インチから4インチに変更され、縦に大きくなった。これに合わせる形で外観もサイズが縦長になったほか、イヤホンジャックが下面に移動しDockコネクタも8ピンのLightningコネクタに変更、薄さも7.6mmと従来よりも薄くなった。

Apple A6プロセッサーを搭載、カメラ性能も向上させたほか、iPad第3世代モデルではアメリカとカナダしかサポートしなかったLTEを本格的に対応、対応バンドとGSM/CDMAの別にあわせて3モデル用意する。日本ではソフトバンクとauから発売されている。

2013年9月20日のiPhone 5s/5c販売に伴い販売終了した。従来行われていた旧モデル併売はiPhone 5では行われず、ほぼ同等のスペックのiPhone 5cによって置き換えられることになる。
iPhone 5s/5c
2013年9月10日(日本時間では11日午前2時)のアップルのスペシャルイベントで二つのiPhoneが発表され[16]、同年9月20日に発売開始した。

ハイエンドモデルのiPhone 5sは、ホームボタンが初めて変更となり指紋認証センサーの「Touch ID」が搭載され、指紋認証でロック解除やiTunes Store、App Storeでの購入ができるようになる。スマートフォン用としては世界で初めての64ビットに対応したApple A7チップを搭載した。これまで「ブラック」「ホワイト」のみであったカラーバリエーションが「スペースグレイ」「ゴールド」「シルバー」の三色となる。

廉価版となるiPhone 5cは、背面にカラフルな一体成型のポリカーボネートを使っている。「グリーン」「ブルー」「イエロー」「ピンク」「ホワイト」の5色展開。スペックはiPhone 5と同等。2年契約で、16GBは99ドル(約9900円)、32GBは199ドル(約1万9900円)で発売される[18]。

キャリアにNTTドコモが加わり、これにより主要な日本の携帯会社3社がiPhoneを扱うことになった。
同年11月22日、日本市場でもアップルストアでSIMフリーモデルの販売を開始した

IPhone. (2014, June 15). In Wikipedia. Retrieved 05:04, June 15, 2014, from http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=IPhone&oldid=51987104